今年3月に集め、和光市社会福祉協議会へ全額寄付しましたが、その「使い道」、津波被害や原発被害で避難している方々の「集い」(「和光3・11つながりカフェ」)取組の打ち合わせを同社協ボランティアセンターで行いました。
6月11日(土)に新座市で開催された同主旨の集いに参加した社協常務理事からの報告を受け、来る8月7日(日)、和光市と隣接する都内板橋区の成増団地の夏祭りに、社協のテントで避難者の皆さん(「コスモス会)と共に何をやれるか、話し合い、おおよその企画が出来ました。(「コスモス会」はこれまで和光市内で開催してきた「和光3・11つながりカフェ」に毎回参加されてきた「常連」「顔見知り」の皆さんです。)
現在居住されている方々の出身地が福島県、ということで、団地にお住まいの福島県出身者や、福島県に仕事や遊びで行ったことのある一般の来場者などの方々と、福島県名産の「お菓子」と「お茶」で、「福島の昔、今を語ろう」という「お茶飲み会」。
それも、来年3月で福島県の「家賃補助」が打ち切られ、都営住宅から事実上退去しなければならない避難者の方々の不安を同じ境遇の埼玉県内におられる「復興支援員」や「避難者団体リーダー」にも立ち寄って頂き、情報交換ができれば、との狙いもあります。
ちなみに、2013年2月の板橋区長らと避難者、そしてそれを支援する団地自治会メンバーらとの対話記録、以下、参考まで。
(この時は、大船渡、石巻、女川など岩手県や宮城県からの避難者も多くいらっしゃったようです)
平成 24 年度第1回 区政を区長と語る会 開催概要
日 時:平成 25 年2月8日(金) 15 時~17 時
会 場:都営成増団地自治会 成増第二アパート集会所
テーマ:あたたかい人づくりナンバーワン
~東日本大震災から約2年、板橋区での避難生活全般に関して区長と語る~
出席者:(区民)都営成増団地自治会 コスモス会員ほか 12 名
(区側)区長、政策経営部長、区民文化部長、地域振興課長、
成増地域センター所長、広聴広報課長(司会)
次 第
1 区長あいさつ
2 出席者自己紹介
3 フリートーク
概 要
区長: 皆様、こんにちは。今日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。東日本大震災から間もなく2年が経過します。被災地では復興への努力が続いていますが、その道のりは大変厳しい状況が続いていると聞いています。
復興庁の最新の発表では、未だに県外で生活されている被災者の方は、福島県、宮城県、岩手県で約 67,800 人と大変多く、そのうち、東京都内には約 9,000 人の方々がお住まいと聞いています。被災された皆様の生活再建へのご苦労に心からお見舞いを申し上げます。本日は、福島県双葉郡浪江町の花に因んで命名された「コスモス会」の方々にお集まりいただきました。平成 23
年6月のコスモス会発足以来、様々な活動に取り組んでおられると聞いています。短い時間ではありますが、コスモス会の活動状況を
中心に、板橋区での生活の様子などについてのお話を聞かせていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
司会: それでは、皆様、はじめに自己紹介をお願いいたします。
区民: 浪江町からまいりました。現在、子ども3人と暮らしています。
区民: 私は浪江町からまいりました。
区民: 浪江町から昨年1月にまいりました。
区民: 石巻市からまいりました。成増に住んで1年ぐらいになります。障がいのある者と一緒に暮らしています。
区民: 宮城県女川町から母と一緒にまいりました。4月で2年になりますが、板橋区でいち早く女川町の瓦礫を引き取っていただいたことに、お礼を申し上げます。
区民: 大船渡市からまいりました。家が津波で全壊しました。仕事の関係で東京に来ることも多かったこともあり、板橋に来ることになりました。暖かくなったら、大船渡の様子を見に行こうと思っていますが、なかなか復興が進んでいないようです。板橋区には永く住み続けたいと思っていますが、居住期限があるので、少し心配しています。
区民: 石巻市から一人で来ております。皆様から暖かく接していただき、ずっとここで
暮らしていきたいと思っています。
区民: 石巻市からまいりました。我が家も津波で家と車が全部だめになってしまいまし
た。父も一緒に来ていましたが、やはり地元が良いということで石巻市の近くに住む兄の所に引っ越したため、現在は一人で暮らしています。
区民: 石巻市からまいりました。北区王子で8か月程お世話になり、その後板橋区に来ました。
区民: 東日本大震災が発生した年の6月に自治会長に就任しました。今日までに天皇・皇后様がお見えになるなど様々なことがありました。コスモス会の皆様に元気になっていただきたいということで取り組んできました。今後ともご協力をお願いいたします。
区民: 自治会事務局で事務をしております。コスモス会の皆様が入居された時からのお付き合いになりますので、皆様とは顔なじみになっています。
区長: みなさん、板橋区に来られて2年になろうとしていますが、板橋での暮らしは慣れましたか。普段の生活にご不自由とかはございませんか。
区民: 生活はなんとか慣れてきました。ただ来年3月 31 日で住宅の入居期限がやってきます。今後も住み続けられるために誰にお願いすれば延長できるのか、みんな心配していると思います。
区長: 都営住宅は東京都が管理しており、昨年も延長が実施され、入居期限は来年 3 月31 日になったと聞いています。入居期間の延長などは区で決めることはできませんが、東京都へはご心配されている方もいらっしゃることをお伝えし、延長できるよ
うにお願いしたいと思います。
区民:
板橋区に来た当初は、何もない状況だったので、ここでの暮らしに慣れることで精一杯でした。その後、家族の者が体調を崩し、動けない状態になり緊急で入院しました。病院では長く居られないので、次の転院先を探すようにいわれ、病院の他に介護老人保健施設なども探しましたが、受け入れられないと言われました。その後、なんとか病院を探しましたが、空き待ちの状態でした。被災者であるとは言いたくないのですが、できれば被災者を優先的に介護老人保健施設や特別養護老人ホームとかに入所できるようにしてほしいと思います。
区長: 特別養護老人ホームは、要介護度が高い方は、比較的入りやすいと聞いています。そのような相談は、おとしより保健福祉センターにお問い合わせいただければ、親身に相談に乗ってもらえる体制をとっています。成増地域には、病院や介護施設が多くありますので、改めてご相談いただきたいと思います。
区民: コスモス会では、月に一度茶話会をしています。多くの方にお知らせをして、ボランティアの方にも来ていただいていますが、いつも参加するメンバーが決まっているのが現状です。入居されてから一度もお会いしたことがない方もいらっしゃいます。避難先の住宅で孤独死ということも聞きますので、できるかぎり声をかけるようにはしているのですが、お誘いするのは難しいと感じています。
区長: 大変なご苦労があるとは思いますが、地道な声かけが将来につながると思いますので、よろしくお願いいたします。
区民: 住民票を板橋区に移していない人もいるので、住民票がないと引け目を感じてしまう人もいます。また、シルバーパスも住民票がないともらうことができないので、寂しさを感じます。
区民: 住民票を移したら移したで、地元からの連絡が途絶えてしまうという不都合が生じることもあります。
区民: 入居していられる期限があるので、その後のことを考えると住民票を移すかどうか悩みます。ずっと板橋区にいることができれば別ですが。
区民:
期限について東京都に聞いてみたところ、地元からお願いしますと言われれば、東京都として引き受けるが、地元から帰してくれと言われれば、帰さなければならないと言われました。地元の復興が進まない、本人が帰ることを希望しない場合はどうするのですかと聞いたところ、慣れた土地なので、できるだけ希望を聞き、収入制限などの条件があるので、その条件をクリアできれば居られるようにはしたいと言っていました。板橋区からも、私たちの希望に沿う方向で東京都へ要望してもらえればありがたいです。
区民: 地元に戻っても、周りに何もなければ生活できないから。
区民: 復興するまで時間がかかるから、歳を取ってしまう。
区長: 東京都へは、期限の延長を私からもお願いしてみます。コスモス会は、月に 1 回の集まりですか。
区民: はい、第 3 水曜日と決めています。それでもなかなか人が集まらないです。
区民: 昨年 3 月には、社会福祉協議会の協力によるバス旅行がありました。
区長: どちらに行かれたのですか。
区民: 浅草と築地です。
区長: スカイツリーはまだ完成していませんでしたね。
区民: 外から眺めただけでした。
区民: 正式な通知はまだ来ていませんが、今年の 3 月にスカイツリーにのぼるバス旅行があると聞いています。そのあとに寅さんで有名な葛飾柴又に行くと聞いています。
区長: 渥美清さんは、昔板橋の志村に住んでいたことがあります。志村第一小学校に通学していまして、学校内には記念コーナーが設置されています。
区民: 板橋には、郷土資料館などがあり、散策して良いまちだと思っております。ここに住み続けたいと感じています。高齢者問題はありますけれど。
区民: 現在通っている病院が埼玉県にあるので、せめて板橋区で診てもらえたらと思います。通うのが大変です。赤塚や四葉の病院などにも行きましたが、だめでした。
区長: 数年後には、区内の比較的近い場所に新しい特別養護老人ホームができる予定と聞いていますが、今日明日の問題ですからね。家族にはご負担がかかりますからね。
区民: 家族に認知症があるので、デイサービスに通っていますが、地元の田舎とは違って一人で外を歩かせるのもままならないので困っています。
区長: 障がい者に対する支援を行う窓口である赤塚福祉事務所にも一度ご相談に行かれたらいかがでしょうか。
区民: 相談に行ってみます。
区民: 居室が狭く、一部屋に2人で住んでいるので、精神的な負担があります。
区民: 緊急な入居だったので、同性の親子や夫婦の家族は、1DKの部屋になってしまいました。事情を話して改善できれば良いのですが。
区民: 2人世帯でも2Kですから、介護のためのベッドも置けない。田舎で暮らしていた者からすれば、想像がつかない狭さです。
区長: この点についても都へ申し添えさせていただきます。ご自分の健康で何か取組んでいることはありますか。
区民: 歩くといっても買物くらいです。あとは集会所で健康体操です。2か月に1回なので、自分でやらないと。ある程度の広さがあれば家でできますが。
区民: 赤塚体育館ではいろいろやっているみたいですが、詳細については「広報いたばし」に載らないようです。
区長: 全てのイベントを掲載するのは、紙面の関係もあって難しい状況です。いこいの家やふれあい館には行ったことはありますか。
区民: お風呂があるところですね。
区民: 銭湯でも、転倒予防体操をやっています。普段は午後3時からです。1時間程体操をして、その後にお風呂に入ります。
区長: いこいの家やふれあい館は良いですね。お風呂やサークル活動がありますからね。
区民: お食事会などを月に1回、この会場で行っています。福祉の森サロンとして行っています。
区長: 買物はどうですか。
区民: 王子の方が板橋より物価が安いですね。成増は少し高いです。
区長: 王子は昔ながらの商店街が残っているので安いですね。それでも板橋区は 23 区の中では物価は安い方だと思います。
区長: 赤塚、成増地区には、区民農園がありますが、ご存知でしょうか。
区民: 地元では農家だったので、自分で野菜や米を作っていました。東京に来た当初は何で野菜を買わなくてはいけないのかと思ったくらいです。
区長: 何を作っていましたか。
区民: お米を2町ほど、買ったことはなかったです。
区長: お仕事に関してはどうでしょうか。
区民: 通勤がとても大変です。車の生活だったので、歩くこと自体に慣れていないことと成増駅まで坂なので、通うのが大変です。人と接した仕事がしたいと思い仕事を選びましたが、電車での通勤が不慣れで、とても大変でした。
区民: 大船渡の沿岸に住まいがあったのですが、津波で家が倒壊しました。大船渡市でも高台の方は大丈夫だったのですが、残りは被害に遭いました。お盆で帰った時には、セメント工場の炉を使用して瓦礫の除去をしていましたが、学校だけが残って
いる状況で周りは野原です。学校も移転するようです。高台に移転する場合は、土地を買い取ってもらえますが、建物は自分で建てなければならず、若い人は家を建てることができるが、そうでない人は移転できないと思います。
区長: 浪江町では雪は降りますか。
区民: 沿岸部は降らないですね。
区長: 原発からはどのくらいの距離ですか。
区民: 我が家は8㎞ぐらいですね
区長: 規制はどのような状況ですか。
区民: 4 月 1 日頃に規制が解除になるとかならないとか聞いております。
区長: お正月やお盆には帰省できたのでしょうか。
区民: お彼岸の時には帰りました。
区長: 福島の野馬追を見たことがありますが、迫力がありますね。数百年を超える伝統行事のために自宅で馬を飼っているご家庭もあると聞きました。
区民: はい、盛り上がりますね。
区長: 板橋区にも、田遊びなどの伝統行事や史跡、文化イベントなど魅力がたくさんあります。ぜひご覧になってみてください。
司会: 皆様、今日は、たくさんのお話をありがとうございます。そろそろ終了の時間が近づいてまいりましたので、最後に、改めて、区長からご挨拶申し上げます。
区長: 本日は、ご参加いただきありがとうございます。皆様の今の心境や生活の内容などいろいろとお聞きすることができました。いただいた課題には、誠心誠意対応させていただき、皆様の生活がより良くなるように努力させていただきたいと思います。これから春になってまいりますが、まだまだ寒い日が続きますので、不自由なことがありましたら、ご相談ください。希
望が持てる人生となるよう、皆様と一緒に乗り越えていきたいと思っております。
本日のご参加に感謝申し上げ、皆様方のますますの今後の健康をお祈りし、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。