1 場所:和光市立下新倉小学校音楽室
2 指導:谷禮子実行委員 サブ八木久仁実行委員
ピアノ:中村先生
3 日時:8月21日(月)、22日(火)24日(木)
4 指導内容
(1)第2楽章 ~たたら火~
-3日間で、ほぼ全員、暗譜で歌えるようになった=
①P22 8 72小節
・イタリア語Coro ragazo とは、上に英語で書いていあるChildren’s songと同じ、子供の歌、という意味です。
②P22 ~P25
・初めはゆっくり、3度、4度繰り返した後、はAllegrettino ♩=96
と早めに。
③P22 72~78小節
・72小節から77小節までは、指を折って、6つ、6小節ピアノの刻みを待ったら、遅れずに78小節の「いっせ」と一斉い歌い出す
・その「いっせ」の横にあるfの印は、「大きく」。
④P23以降
・「いっせ」は、繰り返し出てくるが、まず最初の後の地名「いせ(伊勢)」とは全く違う、「一斉に」「さあ」「ヨイショ」などのような掛け声。なので、いっ、で切り、せは瞬間離して歌う。でないと「いいせ」「いせ」と聴こえ、何を言っているのか分からなくなる。
⑤P23 85小節ほか
・16分音符に注意。以後いくつも出てくるので、鉛筆で該当箇所を全部四角で囲うこと
⑥P23以降
・歌詞は、いっせ、の掛け声と、数字の順の地名。1は「い」の伊勢、2は「に」の新潟、3は「み」の三河・・・10は「とう」の東京。
(2)第4楽章 ~祝祭~ 石巻風景
-3日間で、メロディは楽譜を見ずに口ずさめるようになったー
① P50~P51
・覚えやすいメロディなので、音符でリズムを読むより、まず耳で覚える。
・「歌詞」が古い言葉で知らない地名などもあり、大人でも理解出来ないので、意味
をまずは理解し、次の単語やフレーズを続けず、きちんと間をあけること。
1番 春の歌です、・
日和ケ丘のさくら花
解説:石巻市内の小高い日和山は、石巻市のランドマーク。作詞された時には想像も出来なかったのですが、3・11の際は多くの市民が津波から逃れた場所。山の上から太平 洋を望む眼下には、16mの津波で3000人もの方々が亡くなった「門脇・南浜地区」が一望出来ます。
毎年春になると、山頂の公園の桜が咲き乱れ、花見で賑わいます。
かもめ のどかに 群れ飛びて
解説:太平洋へ流れ込む北上川には、かもめが飛び交います
霞(かすみ)がくれの 真帆片帆(まほかた)は
解説:時々、海辺や川には、近くの山々も見えない「春霞」(はるかすみ)に視界を遮られることがあります。その少し腫れた隙間から、昔から漁船や捕鯨船、商船、小舟などが大きな帆や小さな帆が風を受けて行き交っているのが見えたのです。
あな おもしろき 春風景
解説:あな、は「ああ、なんて」、おもしろきは、今の「面白い」ではなく、「素敵な」「素晴らしい」春の風景なんだろう。
2番 夏の歌です。
北上川の夕凪や 波に砕くる 月影を
解説:岩手県と宮城県を流れる東北最大の川、北上川。盛岡市などを通り、石巻市の太平洋へ流れ込む。その川の夕方の海風から陸風に交替する時の無風状態が「夕凪」。そして、夜となり、月が風が出てきた川面に砕かれて見える。
漕げば 櫓音の冴えわたり 夏は涼しき 内海(うつみ)橋
解説:川の上を船を勧める手漕ぎの櫓の音が響き、暑い夏も涼しく感じるのは、北上川の河口近くの小さな島を両岸から渡す橋、内海橋の上からだ。ちなみに明治時代からあった内海橋だが、3・11で大きな被害があり、仮設橋での往来が続いたが、隣に新内海橋が完成した。
3番 秋の歌です。
港頭(こうとう) 秋の風立てば 牧の嶺近き 御所の山
解説:石巻港、石巻漁港に秋風が吹くと 湊(みなと)地区牧山の零羊崎(ひつじさき)神社周辺、御所の池周辺の山々には、との意味。
3・11では、石巻旧市街と北上川を挟んで対岸の湊地区も津波で大きな被害を受け、当日は、多くの市民が牧山に逃げた。
紅葉の錦 織なして 映ろう水の美しさ
解説:紅葉の鮮やかな赤や黄色の織りなす色彩が、御所の池に映える。
4番 冬の歌です。
千古の色の 常磐木(ときわぎ)や 羽黒楊武の へだてなく
解説:1000年前からの緑のままの常緑広葉樹よ、昭和4年に竣工したばかりの戦艦「羽黒」や日本に発注され、大正5年沈没した韓国初の軍艦「揚武」などの区別もなく、つまり世の中の移り変わりに関わりなく。
なお、楽譜の楊と軍艦の揚には違いがあり、誤記かと。ちなみにこの石巻風景は、佐藤露江の昭和8年の作詞、とすれば、既にヒットラーが政権につき、日本は国連を脱退し、北支へ侵攻、そして三陸沖地震津波で3000人の死者を出した年。あくまで、「羽黒楊武」は齋藤の解釈。
雪白砂の伊寺水門 冬しずかなる 朝ぼらけ
解説:石巻は、“ 伊寺水門 ”と呼ばれ、 北上川河口の小さな水郷の村 として栄えたのだが、同時に、馬の産地であったため、多くの牧場 があった。そのため、“ いじのみなと( 伊寺水門 ) ”が、“ いじのまき( 伊寺の牧 ) ”となり、さらに、“ いしのまき( 石巻 ) ”と呼ばれるようになったという。
雪が砂のように降り積もり、冬景色に包まれ、静かな夜明けを迎えている。
②P50、7、8小節 P51 15,16小節 20小節
・いきなりEの音が一オクターブ上がるので、慣れること
(3)第4楽章 ~祝祭~
-3日間で、ほぼメロディは理解でき、高音も謳えるようになったー
3・11以降は、海への複雑な想いがあり、また4000人近くの方々が犠牲になったことから、特別な終曲となった。
ちなみに2013年石巻での演奏も、ここで合唱団の方々も涙。「10年前には横で歌っていた仲間が津波でやられて、今ここで一緒に歌えなくなった、という寂しさが込み上げてきた」と。
また、2015年、和光市での第4楽章だけの演奏でも、石巻から遠征してきた合唱団40人だけでなく、首都圏の合唱団や観客も涙し、特に石巻出身者の方々は号泣した、という曲。
①P57~59
・ゆっくりで、かえってリズムを取るのが難しいので、しっかりカウントする。
・まず、音符の長さの確認。四分音符をひとつ、と数えると、二分音符は2つ、付点がつけば3つ、全音符なら4つ、です。
・この曲は先に大人たちが歌ってきたのを児童やソリストも加わり、全員合唱で盛り上がって、観客にも「石巻を讃えよう」と呼びかけ、感動のうちに終わる。
②P57
・冒頭に「83小節から最後までは、大らかに音を充分伸ばして歌う」と書いてあるように、全体にスローになる。